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ホビーショップの現実

 福岡にもどってからあちこち、以前なじみだったアナログゲーム取扱店をまわってみたんですが、どこも大変みたいですね。
 福岡・北九州ではわりとよく知られた老舗のチェーン店が年末に店じまいしてしまい、別のお店は支店をたたんで本店スペースも一部のみで営業、アナログゲームの棚があった書店も棚をなくしたり、書店そのものが閉店してしまったり。
 結局、書店ではわりとTRPGを置いてあるものの、北九州でアナログゲームをあつかっているホビーショップはフカヤさんくらいしか見つけられませんでした。そのフカヤさんでも、たのめばお取り寄せは可能なものの、ようやく小さい棚をアナログゲームに割いているのみで。なかなか苦戦を強いられているようです。
 以前はお正月明けともなれば、どこのホビーショップでも子供が店の外まで群がり、大事なお年玉を握りしめて、なんに使おうかと思案する光景が見られたものですが。すでにそういう風景は過去のものかも知れません。

 分かっていたことですが、いまホビーショップは全国的に低迷しています。というか、秋葉原以外はどこも商売としては苦戦しているようです。とはいえ、原因はアナログゲームというよりも、むしろTCGのブーム沈静化と、あとプラモデルなど主力商品である模型の冷え込みにあるようですけど。
 いま、ガンプラが売れてないそうですね。それも徐々に売れなくなったのではなく、例のリーマンショック以降、急にガクンと。まあそれは当然のことで、不況になったらお財布の紐がしまるのは当然だし、どうせしめるなら生活に無関係の趣味の分野から、となるのは普通のことで。
 しかもガンプラの主なお客さんは、20台・30台の大学生や若手サラリーマン。不景気で収入が減ったり仕事をなくしたりすれば、生活に直撃する世代です。ガンプラどころじゃないのは当然であり。
 Amazonをはじめ通販が発達したというのも大きいようですね。お店の陳列棚に制限のあるショップより通販の方が品揃えもいい。欲しいものが容易に手に入るのですから、わざわざお店にいく必要はないわけです。
 TRPGなんか、最近は書籍タイプで発売されることが多いですから、わざわざホビーショップにいく理由はない。近くの本屋さんで置いてなくても、注文すれば買えるのです。

 でも。

 書店とおなじで、わざわざお店に出向いて、並んでいる棚を眺めて、さてなにを買おうかと思案するというのは、とても楽しく、また意義深い行為だと思います。
 ネットでは、あらかじめ「これが欲しいんだけど、どっかに安く売ってないかな」と見当をつけてから探し回ることになりますが、ショップではお店にいってはじめて出会う商品ジャンルというものがあるわけで。
 最初は別に興味なんてなかったはずのものが、ズラッと並んでいるのをみて、
「うわ、ナニコレ、すげえ。へー、世の中にはこんなものがあるんだなあ」
 ということになる。そんな場所が書店であり、ホビーショップだったような気がします。ショップは商品との「出会いの場」なのです。
 実際、ホビーショップで取り扱っている商品は実に多岐にわたります。
 ミニ四駆を買いにきた中学生が、彩色されてケースに陳列されているファンタジーメタルフィギュアを発見して、「ナニコレ!?」と興奮状態になり。そこからTRPGというものの存在を知り、晴れてご購入。ほくほく顔で、メタルとボックスのTRPGを抱えて帰る。そんな流れも確かにあったわけです。

 ここでもうひとつ大事なのは、ホビーショップの「サロン」という側面。

 ホビーショップには、そりゃもう、語らせたら止まらないさまざまな分野のアマチュア専門家の常連客がいて、常に店内のそこかしこで雑談しているわけです。
 店内で中学生が「ナニコレ?」となっていたら、そういうのがすかさず、
「少年。それはメタルフィギュアといってな。自分で色を塗ってゲームの駒に使うのだよ」
「ゲームの駒!? へーへーへー!」
「ほら、そこに英語のタイトルでいろいろ箱が並んでるだろう。それがそのゲームだよ。ろぉるぷれいんぐげーむ、と言うのだ」
「へーへーへー!!!」
 などと訳知り顔に説明するわけです。というか、高校・大学時代の坂東がまさにそれでしたw
 そういう客同士のつながり、サロン的な雰囲気が楽しめるのがホビーショップのいいところであり。
「ここはどうするんだろう?」
「そんならいい商品があるよ。ほら、これで試してみたらうまくいった」
 などと客同士が話し合って自己解決する流れが普通にあったわけです。
 もちろん常連客だけじゃなくて、店員さんもそういう相談に乗ってくれるわけですが。たいていは、
「えーと。もっと詳しい人がいるから、聞いてあげようね。……おーい、坂東くん、このお客さんがさあ」
 となるわけですよ。
 店員さんたちも、そういう会話を耳にして、流行を肌で感じ取りながら、次はどんな商品を置いていこうかと考えるわけで。

 ただ、そういうのは一歩間違えると、一見さんには常連と店員がダラダラとなれあってるように見えてしまうというのもあり。
 レジにいくと、店員さんがいつまでも常連とダベっている。なんだこの店、感じ悪い。だから専門店で買うのは嫌なんだ。それより通販だ、通販。と、こういう流れに陥ってしまった側面も、たしかにある。
 それに、ホビーショップって基本的に男の子の牙城ですから。女の子が気軽にゲームを買いにいける雰囲気ではないというのもあったわけで。いかに厚顔無恥なダメ常連客の坂東も、中学生女子のグループが話し込んでいるところに割り込む勇気はないわけでw
 現在、TRPGを楽しんでいる女性の比率というのは、かなり高いですからね。

 そういう意味では、ホビーショップのあの空気というのは、自然淘汰されていっても仕方のないものだったかも知れません。

 でも、まさしくそのホビーショップに育ててもらった坂東としては。ウォーターラインからガンプラ、シミュレーションゲーム、TRPG、メタルフィギュアと趣味をつなげていった身としては。
 あのころのホビーショップの熱気というものに、郷愁を抱かずにはいられないのです。

 というか、楽しいよ、ホビーショップ。
 甥っ子が「エアガンが欲しい」というので連れて行ったんですが、鉄道模型のディスプレイとガンプラの山を見つけた甥っ子は、もう「すげー、すげー!」と夢中になり。やっぱり男の子の夢の国ですからな。もっと何時間でもいたいような顔をしていました。
 そんで結局、エアガンのことなんか忘れて、お年玉でガンプラを購入して大事そうに抱えて帰る甥っ子。うむうむ。なんか正しいぞ。
 というわけで、男の子のいるお父さんは、ぜひ我が町のホビーショップにつれてってあげてください。なくなっちまう前に。

 ……とかいってましたらば、なんと去年9月、地元・北九州門司にボードゲーム専門店が新装開店したというではありませんか!
 お店の名前はファミリーゲームズさん。門司でボードゲームの会を主催しておられる方が店長さんだそうです。行ってきた方からいろいろ話を聞くに、どうも東京・高円寺のすごろくやさんのような雰囲気らしい。

 場所は小学校の通学路にあるようで、小学生が大勢のぞきにきては、親御さんにせがんで買ってもらうという光景が見られるとのこと。いやあ、うれしいじゃないですか。
 もちろん店長さんはゲームに詳しいわけで、相談すればこちらの人数や年齢、熟練度などにあわせてゲームを選んでくれるわけですよ。なんとすばらしい。
 これで、秋葉原のイエローサブマリンロール&ロールステーションみたく、有料プレイルームがあれば言うことないんだけどなあ!

 まだちょっとお店に足を運べてないのですが(八幡と門司なので微妙に遠い)、そのうちぜひお邪魔するつもりです。

 というわけで、みんなでショップにいこうよ、という話でした。

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