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ク・リトル・リトル 増産されたそうです

 このへんはそろそろ葉桜ムード。
 まあ、まだがんばって咲き残ってる桜もありますが。

▼さて、表題どおり、『ク・リトル・リトル』が店頭品薄につき増産が決まったらしく。
 大層めでたいことです。
 といっても、シナリオは買いきりだから原稿料が余計にもらえたりはしないけどね!

▼原稿料で思い出したけど。
 このところゲームシナリオ業界でも原稿料の値下げが激しくなってきた模様。
 まあ、不況でゲームが売れなくなったり、違法コピーする犯罪者が増えたりで、制作費が削られてるという事情はあるにせよ、ちょっとひどい。

 どのくらいひどいかというと、実はこの間、コンシューマーのゲームで「600円/1kbでやってくれ」といわれて、ひっくりかえりそうになりまして。

 この業界、PCの美少女ゲームだと、メーカーから提示されたシノプシスを元にシナリオテキストをばりばり書き進めるだけの仕事だった場合、まあ1kb(だいたい500文字くらい)あたり1000円というのが、だいたいの相場といえます。
 シノプシスの段階から作業に入る場合(つまりお話も自分で考える場合)は1200円から1500円くらい。
 むろん、ライターの名前だけでお客さんが呼べるような場合は当然もっと相場は上がるし、スケジュールがさしせまっていて急ぎの場合は特急料金が上乗せされます。

 上記はPCゲームの話で、これがプレステとかX-BOXとかのコンシューマゲームだった場合は、タイトルや作業内容にもよりますが、だいたいその2倍くらいかな。過去には3倍相場てのもありました。

 それが当たり前だったんですよね。ほんの10年くらい前までは。

 ところがここ数年、メーカーさんも懐具合がきびしいのか、制作費に占めるシナリオ原稿料の額はだんだん落ちてきて、提示額は上記の相場より下がっています。
 ライターも生活かかってるので、安すぎるとやってられないわけですが、プロでは引き受けてくれないとなると、かわりに安く引き受けてくれる専門学校生みたいなのを動員するらしく。彼らはゲームの制作現場に関われるのを勉強だと思ってるから、お金は二の次なんですよね。それがさらに相場の値下げに拍車をかけることになり。
 結果、いまではPCゲームは1kbあたり900円とか、場合によっては800円なんてのもザラに耳にするようになってきました。
 もちろん、メーカーに所属しているライターさんはもっともらっているだろうし、1000円以下というのは土壇場で手が足りなくなって急遽呼び集められる助っ人ライターの金額なんですが、全体として値下げ傾向にあるのは間違いがなく。
 コンシューマでも状況はひどいらしく、PCシナリオの相場であったはずの1000円にどんどん近づいています。
 中には、
「どんな高名なライターだろうと、シナリオには1000円/1kb以上はビタ一文出せない」
 なんてことを公言しているメーカーさんもあるそうです。おそろしや。てか、近寄りたくない。

 ので、最初に仲介の方から人づてに、
「シナリオやりませんか。時間的にあまり余裕がないのですが」
 とオファーがあったときは、
「まあ、コンシューマのお仕事だけど1000円ももらえればいいや。仲介してもらってる方には日ごろお世話になってるし、はじめてのメーカーさんだし、特急料金はコミってことで」
 とか、のんきに思っていたのです。

 そしたら、600円
 かなりカツカツなスケジュールでしたが、特急料金コミで600円wwwww

 いやもう、その値段で引き受けるプロのライターさんがいたらお目にかかりたいですよ。いやま、いるんだろうから平気でそんな値段を提示できるんでしょうけど。そこから税金とか経費とか差し引くと、えらいことに。
 引き受けるとしたらプロじゃないよなー。というか、きょうび学生さんでもいやがるんじゃなかろうか。そうでもないのかな。

 あまりのことに、間に立って仲介してくれていた方から苦笑まじりに、
「さすがにヒドすぎるんで断っておきました。すみませんね、こんなの紹介しちゃって」
 などと丁重に謝っていただいたのですが、こちらも笑うしかありませんわな。

 というわけで、ブログのネタにして笑い飛ばして、きれいさっぱり忘れることにしました。
 まあ、今回、こちらはなんら実害を被ってませんから、へいちゃらです。

 ま、過去には30万円からのシナリオ原稿料を踏み倒して逃げた外注シナリオディレクターとかいましたから、そんなのに比べればぜんぜんなんとも、ええ。
 つうか未払いの30万円、返してー。

 まあ、なんつうか。
 ゲームシナリオって、なかなか価値がわかってもらえないもんではあるんですよね。
 イラストや音楽みたいに、パッと見でいいとか悪いとかがわかりにくい。結果、売り上げに貢献しているかどうか不明。
 もちろん長期的にはシナリオのよしあしがゲームの評価につながってきますが、シナリオがいいからという理由でゲームの予約をいれる人は少ないわけで。

 ただ、シナリオと企画が密接に関係しているストーリー主体のゲームを開発しといて、とにかく安く書かせたテキストを詰め込んで空白を埋めとけ、みたいな風潮が蔓延するとやだなー、とは思う。
 まあ、ライターとしてもクォリティ向上には努力せにゃならんですがね。

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コメント

初めまして、N様信奉者のHN=這い寄る混沌と申します。シナリオライターさんって苦労してるんですね。最近は好みなゲームがなく、しかも現在の仕事ではTRPGのサークルに顔すら出せずにいるのでクトゥルフの他は『MAG・NET』で紹介されてた「東方プロジェクト」以外何も知らないのですが。昔はファルコムのRPGかタイトー、コナミ、ナムコのSTGやりまくりながら、学外者の身でありながら大学のサークルでD&D、クトゥルフをしてたんですけどねぇ(いわゆる附中生だったので、土曜日はセーラー服で大学に行き、大学生に混じってプレイしてたのです。たまにキーパーが他のゲームをしようとした時には仲間四人でキーパーを囲んで「クトゥルフやろう~クトゥルフやろう~(かごめかごめの感じで)」…さぞや怖かった事でしょう、なにせ四人の女子中学生に囲まれて耳にするのがクトゥルフなんですから)、昔話は置いといて。
 御本人らしいので、スバリ、「アーカム計画」ってなんですか!!アーカム・メンバー?…プロじゃないとなれないんですか。なんかマスター(勿論当然、銀の黄昏錬金術協会の)みたいですね。憧れてしまいます~。私の行動はニャル様の御心のままなのですが、いかんせん地方在住なので、言葉で恐怖をばら撒くのが精一杯なのです…。夢はイロイロあるんですけどね。例えば隣県にあるストーンサークルで儀式をしてみたいとか、イースター島に行ってみたいとか。魔女見習いらしくそれなりの植物(鈴蘭、水仙は当たり前。シクラメン、西洋夾竹桃、、ジギタリス、石楠花等の毒草の他ドクダミ、ミツバ、山椒、芹、アケビ、椿。トリカブトは里に持ってきて植えても根が痩せて弱っていくらしいし、ベラドンナは種も苗も売ってるの見ない。そして福寿草と曼珠沙華は売ってても高かったりする。朝鮮朝顔は近所で見掛けたことあるけど声かけてない)はあるんですけどね~(目標はアイルランド、イギリス系です)。とにかく、アーカム計画気になるのですが、私では無理なのでしょうか?もしかしたら他にもメンバーになりたいラヴクラフティアンがいると思うのですが…。
手塚 敬子  2010年5月7日

投稿: 這い寄る混沌 | 2010年5月 7日 (金) 20時39分

>這い寄る混沌 さん

 亀レスですいません。
 女子中学生に囲まれて「クトゥルフやろう」と詠唱されたら、坂東なら二つ返事で「ああ、いいよ。で、現代? 大正? いつやるの? いますぐ?」と答えそうな気がします。

 「アーカム計画」は、創元推理文庫から出ているブロックの小説……ではなくて、『ロール&ロール』というTRPG雑誌で連載している、クトゥルフ神話TRPGのサポート記事のことです。
 担当ライターは、日本版TRPG展開にかかわっているライターで回り持ちでやってまして、坂東もたまに書いたりします。

 「アーカムメンバー」というのは、その日本版展開ライター陣のことでして、クトゥルフ神話TRPGのお仕事に正式にかかわれば入ることができます(というか、坂東の場合、気がついたら入れられていた)。秘密結社……のようなもんなのかな。ううむ。たしかに、いわれてみたら、そんなもんかも。

 ライター希望でしたら、R&R誌の方にお問い合わせしてみることをおすすめします。たまにシナリオとか記事とか募集しているようなので。

投稿: 坂東真紅郎 | 2010年6月 9日 (水) 00時22分

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